屋根リフォームで気になるワード…
“カバー工法”っていったい何のこと?

私たちの大事なマイホームを雨や太陽からの紫外線から守ってくれる屋根は、長い年数が経つと傷みによって効果が薄れてしまいます。色が変色したり、部材が剥がれてきたり…など、劣化のサインが見られたときが屋根リフォームのタイミング。

そこで、屋根リフォームをしようとすると、「カバー工法」というワードに遭遇するかと思います。

屋根リフォームの前に、予備知識として特徴をおさえておくと安心です。

◆カバー工法とはどんな意味?

屋根を新しくするリフォームには、「カバー工法」と「葺き替え」という方法があります。

カバー工法は、今ある屋根の上からカバーするように新たな屋根を設置することです。「重ね葺き」とも言います。

一方の葺き替えは、今の屋根を取り壊して撤去し、新しい屋根に交換することを指します。

◆カバー工法では次のような魅力が注目されている

屋根リフォームでカバー工法を検討しているなら、次のような魅力を知っておきましょう。

◎古い屋根を解体しなくてもOK

既存の屋根はそのままなので、不要な廃材が出ません。屋根を解体するときに出るホコリの心配もなくなります。葺き替え工事と比べると工期が短く、「リフォーム中の騒音がご近所迷惑にならないか?」という問題もそれほど気にしなくて済みそうですね。

屋根を解体する葺き替えでは、人件費や廃材の処分費が上乗せされて工事費用が高くなります。カバー工法は、工事費の節約したい人には魅力がある方法です。

◎遮音性&断熱性が高まる

古い屋根と新しい屋根…という、二重屋根になります。

新しい屋根と室内との間にある古い屋根がクッション的な存在になってくれるので、雨音が気にならなくなるでしょう。また、外からの暑さや寒さといった外気の影響を緩和させることも可能です。

◆一方のデメリットは?

工事費用の節約、短期間の工事、遮音性や断熱性の向上など、カバー工法はメリットがたくさんあって魅力的ですよね。

ただ、単純に考えると建物の上に2枚分の屋根が乗っているイメージ。新たな屋根の分の重量が乗ることで、建物が全体的に重くなって耐震性が弱くなるかもしれません。現在の屋根素材や新設の屋根素材の重みを考えて、どうすべきか考えた方がいいかもしれませんね。

それに、屋根が劣化し過ぎていると「傷んだままカバーする」ということができません。屋根材の傷みがひどく、すでに建物内に影響が出ていると、まずは補修が必要となります。補修のために屋根を剥ぐので、結果的に葺き替えるべきという判断になるでしょう。

また、カバーする屋根を乗せるため固定が必要ですが、既存の屋根が「瓦」素材ではそれが厳しいのでカバー工法には不向きです。

◆まとめ

屋根リフォームでは、古い屋根材の撤去作業が不要なカバー工法が注目されつつあります。コスト面でも魅力的に感じる人が多いでしょう。

ただ、どんな屋根でもカバー工法があっているわけではありません。家の屋根材の状況によっては、「葺き替えした方がいい」というケースもあります。

単に、メリットや費用面だけでカバー工法を選ぶのではなく、状況に合せた工法で屋根リフォームをすることが大事です。