不動産売却の基礎知識として知っておくべき
「机上査定」と「訪問査定」の違い

不動産売却のスタート地点は、マイホームがいくらで売れるかを知ることができる「査定」です。実は、査定には「机上査定」「訪問査定」という2パターンの方法があります。これらは、査定の方法が違うだけでなく、査定価格までもが違っていたりします。

不動産売却をスムーズに行うため、基礎知識として両者の違いについて知っておくことが大事です。

◆物件を見ずにおおよその価格を知る「机上査定」

机上査定は、メールや電話などで知ることができる査定方法です。住所、築年数、間取りといった不動産の情報だけで、査定価格を出してもらえます。

基本的には、同じエリアにある「間取りや築年数が類似している物件」の過去の売買事例をもとに概算の価格として算出します。データのみの査定方法なので、早ければ1時間以内で結果を教えてもらえることもあるでしょう。

しかし、この査定方法で出た結果はあくまでも相場価格であり、その価格で実際に売れるわけではありません。

実際の価格にはさまざまな要因が関係しています。「築年数」「立地」「間取り」がほぼ似ている物件でも「フローリングが劣化していてリフォームするしかない」「外壁にひびが目立つ」などのような傷みが激しい物件はそれだけ価値が劣りますよね。このような個別に異なる状況は、実際に目でチェックする訪問査定でなければ分からないことなので、机上査定は参考程度に留め、実際に売却するなら訪問査定が必要になるのです。

◆プロの目で見て確認し、より具体的な価格が算出できる「訪問査定」

「壁に穴があいている」「床がたわんでいる」「外壁にひびが入っている」などは、データでは知ることができない劣化です。訪問査定では、不動産会社の担当者が実際に目で見て、建物の不具合などを細かくチェックします。

また、「土地に接する道路が狭い」「道路と敷地の高低差がある」というような土地と道路の関係や「日当たりはどうか」「近所の騒音がうるさくないか」「工場などからニオイが漂ってこないか」など、周辺環境的な点も訪問査定ならではのチェックポイントです。

机上査定と訪問査定の内容の違いがお分かりいただけたでしょうか。

「我が家はいくらくらいで売れるのかな?」と売却価格がまったく予想できない人や「どのくらいで売れるか単に知りたい」と価格だけ知りたい人には、気軽に相場感を知ることが可能な机上査定が適しています。

ただ、実際に売るなら訪問査定は欠かせません。土地や建物の状況、周囲の環境などが加味された精度の高い価格を訪問査定してもらいましょう。複数の不動産会社訪問査定を依頼すると価格もおそらく異なるかと思います。「査定価格」を比べるだけでなく、担当者が誠実な対応をしてくれるか…といった人間性も見極め、売却のパートナーとなる信頼できる不動産会社を見つけたいものですね。