不動産会社のなかには、借地権の取扱いに得手不得手がある

不動産の売買は、個人間ではなかなか難しいもの。「売る」「買う」、どちらにしてもプロに任せたいと思う人は多いでしょう。ただ、注意したいのは業者選びです。特に「借地権」の売買を考えているなら、慎重に判断したいところです。

「不動産会社」と同じくくりでまとめられていても、実際には得手不得手があります。「近所だから」「知り合いがいるから」と、安易に不動産会社を選ぶのはあまりおすすめできません。借地権の内容は難しい点が多いので、経験不足の業者に依頼すると解決までの道のりが長かったり、逆に問題がこじれたりとなってしまうかもしれないのです。

◆細分化されている不動産会社

不動産会社は、「土地」「建物」を扱っているのは同じですが、そのなかでも得意としている分野が違っているものです。

一般住宅の仲介をしている、土地開発をメインに行っている、建売住宅を販売している、収益物件を取り扱っている、マンションをメインに仲介している…など、その方向性は多彩と言えるでしょう。

一般的な不動産会社は、「仲介が得意」と謳っているケースが多いです。しかし、ひとくちに仲介と言っても、「賃貸が得意」「売買が得意」「一般住宅が得意」「ビルが得意」など、細分化されているのが現状です。そのため、借地権の売買を考えているなら、その会社の得意分野をしっかり見極めることが大事です。

◆借地権を取り扱う不動産会社の種類とは

借地権の取扱いをしている不動産会社は、大きく分けて「仲介業者」と「買取業者」に分類されています。

仲介業者は、一般的には所有権の不動産売買をメインにしていることが多いです。「売り主」と「買い主」を繋ぎ、売買成立まで持っていけば成功報酬として仲介手数料が得られます。ただ、一般的な所有権よりも難しい借地権の取扱いは精通していなければ労力がかなりのもの。「引き受けても難しいシチュエーションとなれば、最終的に売買に結びつかずに手数料がもらえない」という理由から、敬遠する業者が多いのが実情です。

一方、買取業者の場合、仲介とは違い取り引きがスムーズです。「買い取る」という実績が豊富なので、借地権の専門知識にも精通しているケースが多いです。特に借地権の取扱い件数が多いなら、安心して任せられるでしょう。

◆まとめ

借地権の売買を考えているなら、借地権を得意としている業者に依頼するのがスムーズと言えるでしょう。また、「専門知識に精通している」ということはもちろん大事なことですが、担当者が臨機応変に対応できるかどうかの見極めも重要です。借地権について過去の実績の多さも選ぶときの重要ポイントになります。

条件の良さ…とお金のことが気になる気持ちは分かりますが、借地権についての説明が分かりやすい、担当者の提案力に長けているなど、総合的に目を向けて慎重に判断してみてくださいね。